風の抜ける、風を作る空間計画でより快適に
高断熱・高気密化と合わせて考えたいのが、風の通りです。風を感じることで、体感温度はずいぶんと下がり、室内にたまった熱を逃がしてくれます。
風がある時は窓を開放して、風を通すことはもちろんのこと、風が弱い場合でも、開口部位置の工夫、ウインドキャッチ部分を作ったり、全く風のない場合でも温度差換気を利用して、できる限りの工夫で「風を作り出す、熱を逃がす」計画により、快適な家作りをご提案します。
風の通り道をつくりだす工夫
風がある時は右図のように入口と出口の窓を作ることで風は抜けていきます。
しかし平面的にしか通風を考えていない場合、風が弱いときには、室内の通風はほとんど生じず、日中の熱が逃げず家中が暑い状態が長く続きます。
― 工夫その1 ― 吹き抜けや階段を利用する
吹き抜けや階段部分などを利用して、上下の通風を考慮して風を作りだします。2階の窓は天井付近に設けると効果的です。
吹き抜けを作ることで、1階の熱が上方に抜けていきます。このプランではロフトまで一気に抜けて、廃熱、通風しています。
2階の天井付近にたまった熱を、天井付近の窓から廃熱します。
― 工夫その2 ― トップライトを換気窓にする
トップライトを換気窓にすると、天井と窓の間にできる空間が煙突効果をを持ち、より効果的に熱を逃がすことができます。
同じ部屋の中でトップライト含め上下に開口するだけでずいぶんと熱が逃げ、通風が得られます。
トップラライト部分の掘り込みが熱だまりとなって、より効果的に廃熱します。こまめに開放するためには、電動タイプがお勧めです。
― 工夫その3 ― 熱を集め、熱を逃がす
2階の天井を勾配天井にして熱を集め、煙突やトップライトから集めた熱を逃がす。
勾配天井を計画して熱、風の流れを誘導します。このプランでは、勾配天井に沿って流れてきた熱、風をロフトの開口部から抜きました。
煙突部分に熱を集め、煙突部分に設けた開口部から熱を逃がします。このプランでは煙突部分に設けた換気扇で熱を逃がし、1階より涼しい風を取り込みました。
― 工夫その4 ― 上下の高さを大きくして効果を大きく
上下の高さが大きいほど、換気、通風の効果は大きい。吹き抜け→勾配天井→ロフト→換気窓で効果的に熱を逃がす。
このプランでは1階~ロフトまで吹き抜けにして上下の距離を大きくしました。
高気密住宅では小さな吹抜けや階段からでも、上部で換気することで、1階から風が入ってきます。ストリップ階段も空気の流れには効果的です。
― その他の工夫 ―
建物の入り隅には風が集まるので、その部分にサッシを設けることで効率的に風を取り込めます。外構の袖壁などでもウインドキャッチ効果を期待できます。
サッシ形状、設置位置の工夫で風を受け止めたり、うまく廃熱したりできます。風の吹く方向を意識して、開き窓の吊元を決めると効果的に風を取り込めます。
入口から取り込んだ風を、うまく出口まで流すために室内開口の工夫も必要です。このプランでは欄間を計画して就寝時も風の流れを確保しました。
防犯や雨対策をした地窓や小窓を設けることで、就寝時も窓を開放でき、風を通すことができます。出口となる常時開放できる窓や換気扇が必要です。
風の入口、出口となる開口部の大きさは、風の入り方、室内の風の強さに大きく関係します。開閉の仕方によっても感じる風の印象や快適さを調整できます。
このプランでは高断熱高気密、基礎断熱として、季節のいい時期は、基礎換気口を開放して、床下から涼しい風を取り込みました。
